スーちゃんこと、菅野鈴子さんが東京・原宿の路地裏で占いをはじめてから30余年。

広島から上京し、デザインの専門学校に通っていた。
おしゃべりするのが好きで、バスガイドのアルバイトを始めたら一躍人気者に。卒業後も続けていたが、会社の重役に奇抜な通勤スタイルを目撃され、即刻クビになった。

その後、パントマイムの振り付け師、結婚式場の巫女、風呂屋の番台、田植えのアルバイトなどを転々。やっと勤めた企画会社も1年ももたないうちにあえなく倒産してしまった。

悪いことは重なる。
失意のどん底、力なく原宿の横断歩道を歩いていると、いきなり自転車が全力疾走で体当たり。ところがかすり傷ひとつ負わなかった。「こんな経験、小学生の時もあったっけ。運命って不思議」と思い直し、みかん箱を占い机代わりに、この道に首を突っ込んだ。

最初は見よう見まね。
1回300円の安さに引かれて、原宿通いの10代の少女達が群がった。彼氏や学校の悩みを打ち明けられる姉貴のような存在になり、「原宿の母」と慕われた。

占いの世界は奥が深い。
のめりこむ性格が出て、5000人以上の友人・知人の手相を徹底分析、気学やタロットカードも猛勉強するまでに。努力実って、「信頼できる占い師」と口コミで噂は広まった。

原宿での辻占いと並行して、80年代後半、プランタン銀座にも進出。本館とモード館をつなぐ3階の連絡通路で店開きした。その往年の活躍ぶりは、吉本ばななさんのエッセイ集「パイナツプリン」(角川文庫)の「プランタンと私(?)」の章に、「言葉がばしっばしっと断定的で、ものすごい勢いではげます」、「確かとてもよく当たる」占い師として描かれている。

そのスーちゃんが、十数年ぶりにプランタン銀座に戻ってきました。ホームページ限定だが、おしゃれで買い物大好きな女性たちのための特別なサイト。歯切れのいい「スーちゃん節」で展開される星座占いを、ぜひお楽しみに。

スーちゃんの夢は、故郷広島の味、お好み焼きを食べながら、占いを楽しめる館をつくること。いつでも誰でも出入りできて、グチなど気楽におしゃべりできるスペースにしたいそうだ。