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パリ通信
パリ在住で、プランタン銀座の海外関連業務をサポートする日本女性、小川明子さんによるエッセイです。フランス人の夫と3人の子供の5人暮らし。在仏15年を超える生活者としての視点で発掘した、パリ、そしてフランスのとっておきのトピックスをお届けします。
Vol.76 パティスリー・ワールドカップ
大会風景(飴細工を作っているところ)。
今年1月25日から26日にかけて、パティスリーのコンクールの中でも世界最高権威といわれる「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー La Coupe du Monde de la Pâtisserie」(パティスリー・ワールドカップ)がフランスのリヨン市で開催されました。
このコンクールは、1980年代後半にポール・ボキューズ氏が「ボキューズ・ドール(注1)」を設立したことにヒントを得て、パティスリー部門でこれに匹敵するコンクールをと、MOF(注2)のパティシエ、ガブリエル・パイヤソン氏が1989年に設立したもので、「ボキューズ・ドール」同様、フランスのリヨン市で開催されるシラ国際外食産業見本市で繰り広げられます。2007年に行われた前大会では、日本代表チームが優勝して大変話題になったため、ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。今大会では、その日本チームにいた市川幸雄氏が国際審査員長を務められました。
毎回約20カ国のチームが参加する中、日本も上位入賞の常連です。開催国であるフランスも、新人育成のために有名パティシエが労を惜しみません。私が崇拝するプラザ・アテネにあるアラン・デュカスのレストランのシェフ・パティシエ、クリストフ・ミシャラク氏も2005年に優勝した後は後輩の指導に力を注いでいます。ベルギーのショコラティエ、ピエール・マルコリーニ氏も過去に優勝しています。
優勝したフランスチームと作品。
大会には各国代表としてパティシエ1名、ショコラティエ1名、グラシエ(注3)1名の計3名からなるチームを編成し、3部門10時間かけて作品を作り、審査員が評価します。コンクールの様子をテレビで見たことがありますが、氷の彫刻が作っている最中にボキッと折れてしまって作り直さなければならないなど、見ている方もハラハラドキドキの大会です。
日本チームとその作品。
今年は過去最多の22カ国が参加し、名誉会長のピエール・エルメ氏の見守る中、各国代表チームが腕を競いました。優勝はフランス。見事、開催国としての意気込みを見せました。しかし、世界最高権威といわれる大会だけに、どの国の代表者たちも素晴らしい腕の持ち主ばかりで、作品のケーキやアイスクリームは見た目にも美しく、食べてしまうがもったいないくらいです。現在、日本やフランスで有名なパティシエが活躍していますが、こうしたコンクールで腕を競い合って、今後も世界中で若くて有能なパティシエが数多く育っていくのは、何とも頼もしいことだと思います。
2009年2月
| (注1) | 1987年に権威あるポール・ボキューズ氏が設立したフランス料理コンクール。今年はノルウェーが優勝。 |
|---|---|
| (注2) | フランス最優秀職人。 |
| (注3) | アイスクリームやシャーベット専門の職人。 |








